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ウォーク世界遺産DVD

キリマンジャロ・セルーゲームリザーブ

2004年9月18日〜9月30日

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キリマンジャロ空港に撮影スタッフが到着する。

懐かしい顔が。世界遺産で一緒だったカメラマンの井上さんと、音声の土方さんだ。思えば2004年のキリマンジャロ撮影のコーディネーターを何回も出来たのは、この土方さんがTBSの世界遺産撮影のコーディネーターとして、僕を推薦してくれたから。恩人である。日本からのスタッフは、ウォークから大岩さん(セルー編ディレクター)と板橋さん(キリマンジャロ編ディレクター)の二人。板橋さんは今回が初めてのディレクター役ということ。大岩さんは、ベテラン。白髪混じりの長髪が似合う、ダンディーはおじさんだ。

登山はマラングルートの5日間コース。ガイドはいつものアロンさん。

(マラングルート登山は、前にも書いているので、省略)

9月25日

キリマンジャロを全員ウフルピーク登頂して、無事に終了。

しかし板橋さん、井上さんと土方さんが、ウフルピークの手前で朝日に間に合わない、と走っていたのはスゴイ。その後ろを、僕と大岩さんはゆっくりと歩いていた。正直僕はとても疲れていた。頂上でアロンと二人で大の字に寝そべり「仕事だからな」と慰めあっていた。

山場を越えた感じ。キリマンジャロを登ってしまえば、後はセルーでの楽しいサファリ撮影だ。すごく楽しみ。

朝9時にキリマンジャロ空港から飛行機でダルエスサラーム空港へ。ダルエスサラームから、12人乗りのチャーターセスナで、セルーへ。

本当はこのセスナを使い、セルーを空撮したかったのだが、予算の都合で中止。それならと着陸前に少し大回りしてもらうことに。パイロットの兄ちゃんは話の分かる人で「ああ、少しならいいよ」と簡単に承諾。良かった、頭の堅い親父でなくて。

空撮をする時は、カメラを固定して、後部ドアを開ける。しかしドアを開けて離陸すると、空撮許可を得ていないので管制官に止められてしまう。ということで、井上さんが「前にやったことがあるのですが、飛行中に棒でドアをこじ開けることが出来ますよ」というアドバイスを実践することに。ドアを開けた瞬間は、風の音で驚き、ドアが吹き飛ぶんじゃないか、と一瞬心配するが、大丈夫。無事に空撮まがいの撮影を終えることができた。

セルーゲームリザーブは、2回目。ムエカ大学の学生時に、ハンティングサファリで一度来たことがある。もう3年前になる。忘れることのできないサファリ。ライフル銃を片手に持って、藪の中を這いながら、バッファローを追っていた。よく死ななかったものだ。

宿はルフィジリバーキャンプに。セルーの中を流れるルフィジ川沿いの崖の上にある、テント型ロッジ。ここのロッジは、イタリア人親父ルイジと娘夫婦で経営している。ルイジ親父は隠居し、ロッジのバーで、一日中タバコを吸いウォッカを飲んでいる酔っ払いだが、今回の撮影では、この広いセルーでどこに行ったら良いかアドバイスをたくさんしてもらった。娘夫婦はとても切れ者たちで、僕達の要求を「OK,OK]と広い心で聞いてくれた。

(上:ルフィジリバーキャンプのテントロッジ)

午後はお待ちかねのボートサファリ。初めての経験だ。ボートはアルミ製で、エンジンつき。カメラを前に固定して、出発。乾季なのでるルフィジ川の水深は1mもない。ガイドは経験で深みのある場所を知っているので、エンジンを巧みに操り、深いところを選んで進んでいく。

カバやワニがたくさんいるのだが、近寄る前に水に潜ってしまうので撮影は難しい。カワセミなど普段近くでじっくりみることのできない鳥も、川に垂れ下がっている枝に留まっているのを、バッチリ撮れる。撮影をしている時は、ボートの先端を岸か浅瀬に乗り上げて、エンジンを止める。川の流れがあるので、完全に停止するのは難しく、ボートは少しづつ流されていく。カメラもそれに応じて、向きを変える。なかなか大変そう。

ボートの縁は、水面から20cmほど上に出ているだけ。停止し撮影している時、いつも思っていたのだが、ワニが襲ってきたらどうするのかな?と。ボートが襲われる事件は聞いたことないけど、この辺りにいるワニが川で水浴びや洗濯していた村人を襲った、という事件は年に1回は新聞にのっている。何事もなくて良かった。

そんな僕の余計な心配事を別にして、ボートサファリは最高。これまでサファリといえば、車でデコボコ道が走るだけ。これが結構疲れる。しかしボートは、手すりを握るしめる必要もない。風に吹かれながら、サーっと進む。気持ち良い!

空が薄暗くなる頃、ロッジへ戻る。

9月26日

セルーでのサファリ車は、キャンバスルーフのオープン車。開放感たっぷり。このタイプの車でサファリするのも初めてだ。セルーの白い砂の地面と、川沿いの椰子の木、これまでのサバンナサファリとは全く感じが違う。更にセルーはミオンボ林帯に入っているので、林中をドライブするのも初めてだ。動物はたくさんいるのだが、この林のお陰で、追いかけることができない。先回りすることも難しい。動物撮影には、少々苦労させられるところだった。

しかし暑い。海に近いので、標高は100m前後。特に僕はドライバーに指示しなくてはいけないので、助手席に座っていたが、ルーフが届かないので、太陽の陽射しにさらされてしまう。何時間も乗っていると、頭がクラクラしてきた。横のドライバーを見ると、平気な感じ。やはり肌が黒いのは、このアフリカで暮らす適応なのだと実感する。

9月27,28日

ロッジを離れて、湖沿いのテントで2泊する。ロッジよりテント泊の方が、値段が高いのも初めて。どんなものか期待大。

湖畔にあるキャンプサイト。と言っても、テントがなければキャンプサイトとは分からない。テントは二人には、大きすぎるほど。中には、キングサイズのベットが二つ。それでも十分動けるスペースはある。テント脇には、トイレとシャワー用のテントが設置されている。テント前には、テーブルとイスが置かれている。 素晴らしい。湖畔で食事をして、焚き火を囲みながら、湖の上にかかる満月を眺める。風が強かったのが、ちょっと気になる。雰囲気に誘われて、皆がこれまでの経験談をしみじみと話し出す。

夜中、バリバリとき 枝が折れる音が。テントのすぐ横にある椰子の垂れ下がっている葉を、誰かが引っ張っている。そんなことをするのは、やつらしかいない。象さんだ。隣のテントではディレクター軍団が「象ですよ。すぐそこですよ。」とやっている。かなりビビッている感じ。僕は「キャンプはこうでなくてはね」とサファリの醍醐味を味わってもらえて喜んでいた。象がテントの横を通っていくのは、よくあることだし、ここには銃を持ったレンジャーが一緒に来ていて、もし危険と感じたら発砲するだろうから、余裕なのであった。

9月29日

ルフィジリバーキャンプは、セルーにいくつかあるロッジの中では、一番安いクラスのロッジ。でも理由は、他のロッジが高いというだけで、設備・サービスともに大満足であった。ただこういう高級ロッジになると、食事のメニューは一つだけなのは何故だろう。とっても美味しいし、どれにしようか迷わなくて済むので、別に文句はないが。

どこか周りを見渡せる高台はないか、とルイジ親父に聞くと、「ちょうどいい丘がある」とアドバイスをくれる。

その丘のためだけに、3時間以上かけて行く。丘の近くに来ると、井上さんがポツリ「木が多いですね。」そう、近づくにつれて正体を現すその丘は、木で覆われていた。周りを見渡せる感じではない。ディレクターが「無理そうですね。諦めましょう。」僕には「おいコーディネーター、責任とれよ」と聞こえる。そこで、下見に走る。板橋さんとレンジャーも付いて来た。道も何もない、ただの林だ。頂上近くで、少し開けた場所をやっと見つける。ラッキー。急いで降りて、再びみんなで登る。この暑さの中、2回の丘登りはキツイ。

板橋さんは、撮影場所に着くなり、脱水症状で倒れる。

(左写真:やっと見つけた丘のビューポイント)

 

ロッジに帰り、ルイジ親父に報告すると、「10年くらい前に行った時は、はげ山だったけどな」やっぱりただの酔っ払い親父だ。

9月30日

名残惜しい。帰りたくない、と真剣に思った。いつか僕もこんな場所を見つけて、宿でもやりながら、母ちゃんとのんびり暮らしてみたい。

チャーターセスナに乗り、無理やり都会ダルエスサラームへ戻される。そのまま、スタッフは南アフリカへ飛んでいく。

残された僕は、ダルエスサラームで母ちゃんと息子に合流して、ザンジバル島へ遊びに行ったのでした。

 

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